Interview先輩たちがスズキを選んだ理由

YOSHIAKI SUGIMURA
杉村 嘉秋

四輪電子プラットフォーム開発部
2020年入社
前職:自動車部品メーカーでのECU開発業務
※所属部門は取材当時のものです

自動車業界100年に一度の変革期。
一度きりの人生、挑戦できる場所を求めて

Episode 01私の入社動機

大変革に対応できる領域に挑戦し、
日本の自動車業界発展の力となりたい

前職は一次請け(ティア1)の部品メーカーにて、車載電子部品ECU(Electronic Control Unit)の設計・開発に関わっていました。車のライトや車内の電燈、パワースライド駆動などの信号のやり取りが行われる通信ネットワークに関わる部品です。2001年入社当時は部内のメンバーが少なかったこともあり、入社して2年目にはプロジェクトリーダーとして一人でアイルランドへ出張に行ったり部下を持ったりと、早い段階から責任ある仕事を任されていました。3年目以降は毎年新入社員の教育を担当。その後ECU開発部門の課長職を任され、さらに機能安全規格発行に合わせ、プロセスの構築、改善および社内外の監査、アセスメントを担当する部門の立ち上げを課長として任されました。今思い返してみても若手のうちから色々な経験をさせてもらったと思います。2019年には部長職位に昇進し、全社の技術管理部の担当部長を兼務していました。

また社外活動として、自動車向け機能安全規格ISO 26262の策定にPart8国内リーダー(自技会委員)として参画するほか、JASPAR(車載電子制御システムの業界団体)にも参加していました。こうした社外活動を通して、自動車業界の変革に対応していくためには上位システムに対する「システムズエンジニアリング」が重要であると強く認識するに至りましたが、それはOEM(自動車メーカー)の開発範囲であり自分の担当領域ではないことを痛感。さらに部長職位という立場上、社内では幅広いプロダクトに関わる必要があったため、そういった最先端の領域に特化して仕事に打ち込むこともできない。この100年に一度の自動車業界の変革期、今のままで良いのか…。自分の知見を活かして新たな挑戦はできないものかと悩んでいたところ、社外活動で知り合ったスズキの社員の方が当社に来ないかと声をかけてくださったことがきっかけとなり、当社に入社しました。

Episode 02入社後の流れ

用意された部長のポスト。自らも学びながら、
新しい部署をチームで創り上げていく

現在は2020年に新設された四輪電子プラットフォーム開発部の部長を務めていますが、正直、入社と同時に部長に任命されたのには驚きました。部署のミッションは、次期電子プラットフォームのシステム開発を手がけること。要素技術開発、通信仕様策定、サイバーセキュリティを含めた開発プロセス構築に取り組んでいます。また、スズキ全車に対する業界標準プロセスモデルである「Automotive SPICE」に準じたプロセス改善の提案が社内で採用され、目下プロジェクトとして推進しているところです。これまでに培ってきたシステムズエンジニアリングやプロセス構築の知見がさっそく活かせていることに大きな手応えを感じています。とはいえ、私が前職でやってきたことは車の一部品に過ぎません。車全体のことや社内のルールについては「新人」ですから、わからないことはわからないと素直に質問するようにしています。その一方で、部長として頼られる存在になるために、自分の持っている知見で支援できることがあれば積極的に提案するよう心がけています。

ただし、いつも気をつけているのは一方通行にならないことです。「部長に言われたからやる」という文化にはしたくないので、「私は今からこうしたら良いんじゃないかという主張をするけど、注目してほしいのはなぜその主張に至ったのかという部分。そこに対してみんなで議論して、スズキにとって良いものは何かを出していこう」と伝えています。大切なことは、主張(結論)ではなくて、その主張(結論)を導くための、事実(エビデンス)と事実をどのように論理的に考えたのか(ロジック)です。そのエビデンスとロジックをみんなで議論することが重要であり、より良い結論に至ることができると考えています。平たく言えば、みんなで意見を出し合いながら一緒に開発していこうということですね。はじめはどちらかというとおとなしいメンバーが多かった印象ですが、最近は闊達な意見交換が増え、良い議論ができるように変わってきたことを肌で感じています。

Episode 03スズキならではのやりがい

自身が社会に与える影響の大きさを感じつつ、
業界全体で変革期に挑む面白さを実感

前職と比べて大きく変わったのは、BtoBからBtoCになったことです。現在は、実際に車を使うお客様の喜びに直結するのでやりがいは大きいですね。同時に、自身の判断や検討が社会に影響を及ぼす範囲が大きくなったことも実感しています。言い換えれば責任範囲が広くなったとも言えますが、それも含めて自分の経験や知見を活かせていることに喜びを感じています。

私はかねてより、自動車が成長していくためには電子プラットフォーム等を対象とするシステム開発領域の仕組み作り(システムズエンジニアリング)の強化が非常に重要だと考えていました。そんな中、電子プラットフォーム領域に関して日本の自動車メーカー各社が協業していく機運が高まっており、共同開発や提携といった具体的な動きも進んでいます。業界全体で協業領域、競争領域を分けながら推進していくこの規模感にとてもワクワクしています。

大学時代に出会ったある本に「幸せな人生とは、死ぬときに自分の人生を振り返ってみて、成功したか失敗したかではなく、今まで自分がやってきた判断や行動が自分自身を偽っていないと思えること」という一節がありました。スズキに入社する時に、「ここで挑戦しなかったら自分自身を偽ったことになってしまうから挑戦しよう」と思った私の決断は間違っていなかったと、今改めて思います。スズキの面接で「やりたいことをやって良いよ」と言ってくださった役員、上司のご期待に応えるべく、今後もやりたいことをどんどんやっていきたいですね。その一つとして、早期に次世代の電子プラットフォームを立ち上げて、実用化までもっていきたい。その成果だけではなく、成功するための仕組みを全社へ展開することでスズキの発展に貢献していきたいと考えています。

Episode 04会社の雰囲気・職場環境

規模は大企業、風土は中小企業。
トップとの距離が近く、多様性も受け入れる組織

入社してから前職と大きなギャップを感じたのは、経営層や役員の方々との距離の近さです。「雲の上の人」ではなく、私たち社員にもフランクに接してくださって、時には一緒に議論することもある。そんな関係性に本当に驚きました。会議中にふと別の部署の本部長がやってきて「あれ?いつもよりオーラが暗いね」と一声かけてくださることも少なくありません。規模としては大企業ですが、風土は中小企業という印象ですね。そうしたこともあり、自分のやりたいことがトップにも届きやすいと環境だと感じています。たとえば、提出した書類に社長直筆のメモが返ってくることもあります。会社の経営層がどのように考えているのかを知ることができる上に、多忙な中でもしっかりと目を通してくださっていることがわかるため、書類を提出する際に、どうすれば自分の意図が伝わるかをより深く考えるようになりました。そのおかげで、提案書や報告書に記載する情報の粒度や論理展開の手法については、入社してから大きく成長したと感じています。

スズキに入社する前は私の地元である三重で暮らしていました。転職後は浜松で単身赴任になったため、生活環境は大きく変わりましたが、とはいっても常時スマートスピーカーで三重の自宅とつないでいるので家族と離れている感覚はありません。実は浜松は妻の出身地でもあるので、転職した時は「なぜ私が三重であなたが浜松なのよ」と言われましたが(笑)、スズキには妻の同級生もたくさん働いていることが入社後に判明し、今では共通の知り合いが増えて夫婦の話題に事欠きません。浜松は自然と都市の要素が非常にバランス良く、足りないものがない街だと感じています。妻の父が浜松で一人暮らしをしているので、私の転職をきっかけにもっと往来を増やしていきたいと思っています。

私のお気に入りポイント

システム開発やプロセス構築の業務を任せていただけることにとても感謝しています。また、外から来たメンバーを仲間として受け入れる寛容性、新しいやり方に対しても柔軟に取り入れようとする素直さや勤勉さがあることもスズキを語る上で外せない大きな魅力の一つだと思っています。